かのニュー・ウェイヴ喫茶「NYLON100%」に関する400ページにも及ぶ著作が発表された。
まだ読んではいないが、平沢進インタヴュー掲載ということで紹介する。
NYLON100%
80年代渋谷発ポップ・カルチャーの源流
ばるぼら 著
100%Project 監修
2008年7月23日発売 (2008年8月1日発行)
アスペクト
2520円
www.aspect.co.jp/np/details.do?goods_id=1073
実はわたし、ナイロン100%へ行ったことがありません。
ついでに言うと、ピテカントロプスやツバキハウスにも行ったことありません。
なんかこう、オシャレ人種の巣窟ってイメージがあって、気後れしたんだな。
将来こんな職業に就くとわかっていれば、話の種に行っておけばよかったと思うのだが、当時はどうもそいいうのは違うんじゃないかと、距離を置いていたのだ。
岡崎京子『東京ガールズブラボー』の主人公のように、くったくなくミーハーに楽しめたらよかったのだけど、頭でっかちに無駄に屈折していたのですね、ああ恥ずかしい。
そういや、ツバキハウスはキャバレー・ヴォルテールのライヴに行くつもりでチケットも買っていたのだけど、予定が狂っていけなかったんだな。
縁がなかったのだと諦めよう。
さて、平沢進ナイロン100%にまつわるエピソードを語る、であるが、これがなかなか興味深い。
(本は読んでないが、平沢進の項だけ読んでいる)
自分的には新事実発見なのである。
まず、P-MODELのレコード・デビュー前のライヴをおさらい。
1979年
03/16 下北沢ロフト(デビュー・ライヴ)
04/01 吉祥寺・DACスタジオ801
05/02 渋谷・ワルツ 共演:ヒカシュー
05/26 渋谷・エピキュラス 共演:ヒカシュー(巻上公一のサイトには「渋谷ジァンジァン」とある)
今回のインタヴューによると、3月16日の下北ロフトと5月2日のワルツの間に、P-MODELはエピキュラスでもライヴをしているのである。
これはシンセサイザー教室がらみのイヴェント(エピキュラスはヤマハのスタジオ)でのライヴだったらしいが、これまで記録には残っていなかった新事実である。
このライヴが終わったあとに平沢進はナイロンでヒカシューのテープを聴かせてもらったらしいが、巻上サイトによると、ヒカシューは79年の3月3日にデモ・テープの録音を行い、4月第3日曜から「週一ナイロン」でライヴをやっていたそうだから、3月〜4月ころナイロンにヒカシューのテープがあって当然であり、確かに平沢進の記憶と符合する。
www.makigami.com/jbio.html
また、これまでP-MODELがナイロンでライヴを行ったという記録は発見されていないのだが、平沢進の記憶によると、間違いなくP-MODELは1度だけナイロンでライヴをやっているそうである。
そのあたりのディテイルもこの単行本には語られているので、興味のある方は読んでいただきたい。
いや、平沢インタヴューだけでなく、錚々たる面々の証言集となっているので、平沢進抜きでもぜひ(笑)。