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ヒラサワはキャパに並んだか

SP-2

11月1日。
そろそろ平沢進の単行本『SP-2』が書店に並んだころだろうと、事務所近くの紀伊國屋書店渋谷店まで行ってみた。

まず、新刊コーナーを探してみる。
ない。
タレント本コーナーを探してみる。
ない。
タレントの写真集コーナーを探してみる。
ない。
サブカルチャーのコーナーを探してみる。
ない。
文学・エッセイのコーナーを探してみる。
ない。

うーむ。
店員にきいてみることにする。
店員はPCで検索したのち、この本でよいかと画面を確認させてくれる。
では、ちょっとお待ちをと、若い男性店員はすでにわたしが見て回った書棚を探しに行く。
もちろんない。

男性店員は先輩と思われる女性店員に相談する。
こんどはふた手に別れて探しに行く。
すみませんね、ほんとは客じゃないんです、担当編集なんです、すみません。
と心でつぶやきつつ、レジ前に佇んで店員の動向をうかがう。
なかなか発見されない。
店員はアート本や芸術系写真集のコーナーを眺め回している。
そうか、そういうコーナーもあったなと思って遠目に見ていると、覚えのある背表紙が書棚の上にほうに棚差しになっているではないか。
店員の目は素通りしてしまったようなので、書棚へ進み、自分の手で取る。
「これです、これ」

隣はロバート・キャパの写真集である。
名誉ではある。
しかし、営業的なことを考えるはなはだ困ったことである。
広い書店の奥まったところにある芸術系写真集のコーナーの上のほうに棚差しでは、客の目に留まる機会は非常に少ない。
せめて平台に置いてもらいたい。
理想を言えば、ロバート・キャパの隣ではなく、話題の新刊コーナーでファン・ジニ写真集であるとかB’z20周年記念本であるとか、そうした大型本と一緒に並べていただきたいのである。

書店への営業対策を考えつつ、手に取った本を申し訳なさげに書棚へ戻して紀伊國屋を後にしたのだった。
手間をかけさせてしまった店員さん、ごめんなさい。

さて、困ったのはリアル店舗だけではない。
ネット書店でも困ったことはいろいろある。

まず、最大手のAmazonであるが、配本日である10/29に”SP-2″で検索したところ、出てこない。
“SP-2 タイ””SP-2 ニューハーフ”などで検索してもヒットせず、ようやく”SP-2 平沢”で出てきた。

11/3現在ではAmazonでも”SP-2″だけでヒットするようになったが、この時点では”SP-2―タイのニューハーフ?いいえ「第2の女性」です”と、ページに掲載されたタイトルをC&Pして検索してもヒットしなかったのである。
10/29時点では『SP波動法株式攻略読本 (相場読本シリーズ2) 』とか『剣客商売 (2) (SPコミックス―時代劇シリーズ)』とか、どこがSP-2なんだか遠いにもほどがあるようなものばかりヒットしていた。
Amazonの検索システムの詳細は知らないが、きっとGoogleなどと同様に、単純な全文検索結果ではなく、実際にリンクをクリックした結果が検索結果の順位に反映されたりするシステムなのろう。

紀伊國屋やセブンアンドワイなどでは、早い時期から”SP-2″でちゃんとヒットしていたし、読者にとってはそっちのほうがありがたいのではないかと思う。
bookweb.kinokuniya.co.jp/guest/cgi-bin/wshosea.cgi?KEYWORD=SP-2
www.7andy.jp/books/detail/-/accd/32154489
www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032154489&Action_id=121&Sza_id=B0

ちなみに、ビーケーワンは”SP-2″ではヒットせず”エスピーツー”でなくてはならないようだ。
www.bk1.jp/product/03049458

八重洲ブックセンターでは”エスピー ツー”とキーワードを分けなければヒットしなかった。
yaesu-book.jp/netshop/index.cgi?ses_id=&allkey=%2Bauthor%3A%CA%BF%C2%F4%BF%CA&key=&top=0&cd=51&btob_flg=$bto_flg$&predsp_id=41&dsp_id=42&nextdsp_id=41&popdsp_id=&bid=2230174

面白いのは三省堂で、各店のどのコーナーに置いているのかまで、検索結果で表示される。
やっぱり、写真、美術書、アートにくくられるのか。
www.books-sanseido.co.jp/reserve/zaikoDetail.do?pageNo=1&action=%8D%DD%8C%C9&isbn=4309908063

また、Amazonは一般書店と異なる流通システムをとっているせいか、11/3現在、本の内容紹介が掲載されていない。
本来は取次経由で注文票や本の内容紹介は各書店へ伝播しているはずなのである。
表紙写真もAmazonでは11/2か11/3にようやく掲載されたが、それ以前はなかったので、しょうがなくユーザ投稿の形で掲載した。
そういえば、一部のネット書店では、サブタイトルが途中で切れてしまう現象があって、登録システムのせいだとは思うが、謎である。

www.jbook.co.jp/p/p.aspx/3667577/s/~6b19cf0ce
books.yahoo.co.jp/book_detail/32154489
(と思ったら、とりあえずYahoo!ブックスは修正されているようだ)

表紙写真といえば、どうもよくわからないのが、ネット書店によって掲載写真が違っている点である。
本来は、出版社側から配布されている写真、この本で言えば上に掲載したのと同じ写真がネット書店でも掲載されているはずなのであるが、上記リンクを見てもらえればわかる通り、まちまちなのである。
たぶんオフィシャルな写真がちゃんと届いていなかったために書店もしくは流通が独自に撮影(スキャン)したと思われるが、みなさん手間をかけさせて済みません。

ec2.images-amazon.com/images/I/41puqtKuq5L._SS500_.jpg
img.7andy.jp/bks/images/b9/32154489.JPG
bookweb.kinokuniya.co.jp/imgdata/large/4309908063.jpg
(紀伊國屋なんかはシュリンクの上からスキャンしたようだ)

でも、そういえば『改訂復刻版 音楽産業廃棄物』でも、Amazonなど表紙写真はオフィシャルのもではなかったなあ。
どういう原因なのか、こんどはちゃんと調べてみることにしよう。

こうしたことは、もちろん書店側に一方的な非があるわけでない。
今回は発行元と発売元が異なるので、連携の問題もあるかもしれないし、営業的な問題かもしれない。
制作担当である、わたしの責任もあるかもしれない。
今からできる対策はしておき、今後の反省材料としたい。

と、いつになく真面目に締めてみる。

SP-2は微笑んだか

平沢進、初の著作『SP-2』が今月末に刊行される。
3日ほど前、ようやく刷り上がってきたので、見本を届けてもらった。
編集者としてこの半年つきあってきた本なので他人事ではなく、思うことは多々あるのだが、そういう話はまた追々。

SP-2

  • SP-2 タイのニューハーフ? いいえ「第2の女性」です
  • 執筆・撮影: 平沢進
  • 発売日: 2008年10月31日(地方によって前後します)
  • 本体価格: 3500円(税別)
  • 発行: ケイオスユニオン 発売: 河出書房新社
  • ISBN 978-4-309-90806-9 C0095
  • B5変形(四六倍判) 上製 全208ページ(カラー104ページ)
  • 仕上がってきた本を手にとってまず思うのは、重たい、ということである。
    もちろん束見本で重さはわかっていたのだが、中が真っ白の束見本と違い、ちゃんと印刷されて中味のある本であるからして、手にとって読もうとする。
    数ページめくっているうちに、手にずっしり重さを感じ、さらにページをめくっていると、腕がだるくなってくる。
    重量にして1kg以上、こりゃあ、机なしでは読み続けられない本である。
    もちろん、床に置いて寝ころんでページをめくってもよいが、間違っても中空に持ち上げようとしてはいけない。
    うっかり顔面に落下しようものなら、怪我をするかもしれない。

    さらに気になるのは、本の汚れである。
    この本は布(クロス)張りになっており、布というのは皮脂や汚れを吸い取る性質がある、これ当たり前。
    よく手を洗って読書に臨まないと、本が手ぬぐいのようになってしまう。
    コーティングされた巨大な帯があるので、その部分を持つようにすれば本体に汚れがつきにくいが、そうすると帯で微笑むFiat嬢に汚れがついてしまう。
    かようなことが気になる向きには、トレーシングペーパーなどでカヴァーをすることをお薦めしたい。
    変形サイズゆえ、市販品でぴったりのカヴァーは入手困難と思われる。

    ところで先日、タイ王国を訪問したので、ぜひともFiat嬢に会うべく彼女が連日出演するゴールデン・ドーム・キャバレー・ショウ(といっても飲み屋ではなくシアター)へと向かったのであるが、なんとその日は休み。
    巻末を飾るKukkai嬢、Gun嬢の演技を堪能して帰ってきたのであった。

    DEVOは半ズボンをはいたか

    8月11日(月) DEVOの来日公演(渋谷AX)へ行ってきた。

    DEVOのフェスティヴァル参加での来日については年頭に某レコード店オーナーからきいていたが、それはぜんぜん行く気はしなかった。
    40代にとっていわゆる夏フェスなどというものは地獄である。
    しかも、DEVOはニュー・ウェイヴのリスナーにとって最重要用バンドのひとつだが、実はわたし、そんなに思い入れがない。
    アルバムだって揃えていない。
    だが、単独公演もやるらしいと聞いて迷った。
    どうしようかな〜、武道館も観てないしな〜。
    でも、前座があるし、スタンディングだしな〜。
    と、考えあぐねていたら、まだAXの2階席が空いていることがわかり、決心。
    死ぬ前に1回は観とこ。

    前座はポリシックス。
    考えると彼らもメジャー・デビューから10年である。
    たとえばロックン・ロールやブルーズというジャンルの音楽は「極める」という言葉が似つかわしく、同じ音楽スタイルを40年続けていたっていいことになっている。
    しかしながら、初期DEVOや初期P-MODELのようなパンク/ニュー・ウェイヴ、バンド・スタイルのテクノ・ポップというのは初期衝動の最たるもので、同じスタイルを延々と続けるもんではない。
    変化してナンボである。
    しかしながら、彼らはそれをひとつの「芸」「スタイル」として10年以上続けているのである。
    初期ルースターズはよく「どの曲がカヴァーでどの曲がオリジナルかわからない」と言われたものだが、ひとつのスタイルとして完成したR&Bというジャンルは、そういうもんだろう。
    ところがポリシックスの場合、ニュー・ウェイヴでありながら、カヴァーなんだかオリジナルなんだかわからない曲ばかりやっているし、そもそもオリジナリティなんか目指していないのではないかと思う。
    これはこれで偉い。

    さて、45分ほどでポリシックスは終了。
    前の席にはシャンプーの折茂さんとPEVOさん。
    セット・チェンジして22:00。
    DEVOのヒストリーを追ったようなPVのリミックス上映に続いていいいよメンバー登場。

    げ……太っている。

    Webで顔写真しか見ていなかったのでわからなかったが、ボブ1号とサポート・ドラムであるジョシュ・フリーズ(ドラマーは事前にアナウンスされたジョシュではなかったというもある)以外、つまりマーク、ジェリイ、ボブ2号の3人は巨漢と言っても過言でないほど太っている。
    先日も学生時代の友人に「ピストルズ行かないの?」と訊かれて「でぶっちょ4人組になったピストルズなんか行かないよ、P.I.L.は観てるし」とか答えたところだったのだが、DEVOよ、お前もか。
    www.clubdevo.com/mp/live.html

    前半はでぶっちょ3人がキーボード、それにギター、ドラムという編成。
    「THAT’S GOOD 」「PEEK-A-BOO!」「WHIP IT」とか、3rd以降の曲をやったと記憶している。
    紙でできたツナギがはち切れんばかりである。
    しかし、なんかこれはこれでコミカル度、変態度が増していていいような気がしてくるから不思議だ。

    にしても、うまいバンドなんだなと妙に関心する。
    マークも驚くほど声が出ている。

    中盤からは、ギターx2(時にx3)、ベース、キーボードという初期編成へチェンジ。
    「SECRET AGENT MAN」「UNCONTROLLABLE URGE」「SATISFACTION」「MONGOLOID 」「JOCKO HOMO」といった1st〜2ndのナンバーで突っ走る。
    そう、ツナギを破き、半ズボンになり、疾走したのだ、初老と言っても過言ではない、でぶっちょ3人が。
    マークは「SATISFACTION」でエフェクターをくっつけたヘンなギターを弾いたり、はたまた「MONGOLOID」で放送禁止のパフォーマンス(そもそも曲そのものがアレだ)も見せたり、メンバー全員でビニール製のカツラ(?)かぶったり、サーヴィスしまくり。
    「変態バンド」「元祖テクノ・ポップ」のイメージが強いDEVOであるが、ライヴだオーソドックスなギター・バンドの側面を顕わにする。
    うっかりヴェンチャーズとか、寺内タケシとブルージーンズといったものまで連想してしまうパフォーマンスだ。

    本篇ラストが「GATES OF STEEL(鉄の扉)」で、アンコール1曲目が「FREEDOM OF CHOICE(自由という名の欲望 )」というのも、個人的に非常に好きな曲なので盛り上がった。
    アンコールのラスト「BEAUTIFUL WORLD」をオカマのBooji Boy(?)パフォーマンスで締めくくったマークだが、ケーキはコントのようにメンバーの顔にぶつけるかと思ったら、やらんかったね。

    とにかく、ほんとに観ておいてよかったと素直に思えるライヴであった。
    DEVOがこんなにすごい「ライヴ・バンド」であるとは、知らずに死ぬとこでしたよ。
    どうもわたしは「アイディア先行の頭でっかちバンドだから演奏なんてできません」という彼らが擬装していた「イメージ」にまんまとだまされていたらしい。
    初来日当時は、武道館でどうするの、ライヴなんて行ったってしょうがないじゃん、くらいに思っていた。
    ヘタなのに上手いフリするミュージシャンは多いけど、その逆を演じなくてはならないとは、ポリスにも通じる。
    ぜんぜんタイプは違うけど。

    そして、ライヴを観ながら、来年で結成30周年を迎えるP-MODELのことを考えたりもした。
    もしも平沢進がこのライヴを観ていたら、80年代P-MODELを再結成してもいいじゃないかと思ってみたりしたんじゃなかろうか。
    やんないだろうけど(笑)。

    果たしてナイロン100%はニュー・ウェイヴの巣窟だったか

    かのニュー・ウェイヴ喫茶「NYLON100%」に関する400ページにも及ぶ著作が発表された。
    まだ読んではいないが、平沢進インタヴュー掲載ということで紹介する。

    NYLON100%
    80年代渋谷発ポップ・カルチャーの源流

    NYLON100%

    ばるぼら 著
    100%Project 監修
    2008年7月23日発売 (2008年8月1日発行)
    アスペクト
    2520円
    www.aspect.co.jp/np/details.do?goods_id=1073

    実はわたし、ナイロン100%へ行ったことがありません。
    ついでに言うと、ピテカントロプスやツバキハウスにも行ったことありません。
    なんかこう、オシャレ人種の巣窟ってイメージがあって、気後れしたんだな。
    将来こんな職業に就くとわかっていれば、話の種に行っておけばよかったと思うのだが、当時はどうもそいいうのは違うんじゃないかと、距離を置いていたのだ。
    岡崎京子『東京ガールズブラボー』の主人公のように、くったくなくミーハーに楽しめたらよかったのだけど、頭でっかちに無駄に屈折していたのですね、ああ恥ずかしい。
    そういや、ツバキハウスはキャバレー・ヴォルテールのライヴに行くつもりでチケットも買っていたのだけど、予定が狂っていけなかったんだな。
    縁がなかったのだと諦めよう。

    さて、平沢進ナイロン100%にまつわるエピソードを語る、であるが、これがなかなか興味深い。
    (本は読んでないが、平沢進の項だけ読んでいる)
    自分的には新事実発見なのである。
    まず、P-MODELのレコード・デビュー前のライヴをおさらい。

    1979年
    03/16 下北沢ロフト(デビュー・ライヴ)
    04/01 吉祥寺・DACスタジオ801
    05/02 渋谷・ワルツ 共演:ヒカシュー
    05/26 渋谷・エピキュラス 共演:ヒカシュー(巻上公一のサイトには「渋谷ジァンジァン」とある)

    今回のインタヴューによると、3月16日の下北ロフトと5月2日のワルツの間に、P-MODELはエピキュラスでもライヴをしているのである。
    これはシンセサイザー教室がらみのイヴェント(エピキュラスはヤマハのスタジオ)でのライヴだったらしいが、これまで記録には残っていなかった新事実である。
    このライヴが終わったあとに平沢進はナイロンでヒカシューのテープを聴かせてもらったらしいが、巻上サイトによると、ヒカシューは79年の3月3日にデモ・テープの録音を行い、4月第3日曜から「週一ナイロン」でライヴをやっていたそうだから、3月〜4月ころナイロンにヒカシューのテープがあって当然であり、確かに平沢進の記憶と符合する。
    www.makigami.com/jbio.html

    また、これまでP-MODELがナイロンでライヴを行ったという記録は発見されていないのだが、平沢進の記憶によると、間違いなくP-MODELは1度だけナイロンでライヴをやっているそうである。
    そのあたりのディテイルもこの単行本には語られているので、興味のある方は読んでいただきたい。
    いや、平沢インタヴューだけでなく、錚々たる面々の証言集となっているので、平沢進抜きでもぜひ(笑)。

    テトラグラマトンは美味しいか(3)

    いい加減、思いつきのタイトルはやめたい今日このごろ。
    昨日はグラマーなテトラのサンプルCDが届いた。
    まずは前回の訂正。

    > (デストローイとか言ってるようです)

    ぜんぜん言ってませんでした。
    空耳現象です。

    > ジャケットを見て「ASHURA CLOCK」「LAYER-GREEN」を思い出したひとも多いのではないか。

    印を結んでいるわけではなかった。
    小さなジャケット写真ではなく、実物を見るとよくわかるが、東洋(仏教)と西洋(キリスト教)の「合掌」を重ねているのである。
    平沢進とリッカルド・ブレットのユニットを象徴しているのであろう。
    ちなみに、表現に困ってちょっと検索してみたら、キリスト教でも指を折り曲げて手を組む合掌だけでなく、指先まで掌をぴったり合わせる、仏教的な合掌ポーズもとるのだとか。

    似てると言えば、実物を見るとわかるが、P-MODELのアルバム『P-MODEL』のほうがよっぽど似てるかも。
    26本対18本だけど(笑)。

    裏ジャケットの合成2ショットもなかなか大まじめで笑えていい。
    ま、これは購入者のお楽しみということで。

    さて、サウンドですが、MP3で聴いた時と印象が大きく異なりはしなかったのだが、ヘッドフォンで聴くより、スピーカの前で大音量で聴くほうが向いているように思う。
    そのほうが、エレクトリックで突き刺さる音と、シンフォニックなサウンド広がりの両方を楽しめると思う。
    もっとも、ヘッドフォンといっても、すんばらしい専用アンプとハイエンドなヘッドフォンの組み合わせなら話は別だろうけど。
    PCやMP3プレーヤで聴く場合と比べた話ね。

    デス・メタルとかゴシック・メタルとかいっても、こういうサウンドなら、インダストリアルとかノイズとかが好きなひともイケるのではないか。
    例が古くて恐縮だが、初期のキャバレエ・ヴォルテイルとかさ、ノイバウテンとか、通じるものがある。
    平沢進がやっている以上、どうしてもプログレとニュー・ウェイヴの要素は入ってくるわけだけど、先鋭的なハード・ロックからも影響を受けていることを思い出したりもするサウンドであります。

    まずはこちらのサンプルで試聴してみてください。

    tetragrammaton

    Tetragrammaton(テトラグラマトン)
    Susumu Hirasawa+InhVmaN(インヒューマン)

    2008年6月25日発売
    ケイオスユニオン(TESLAKITE)
    CHTE-0043
    1575円

    平沢進: Composition, Sub Vocal & Instruments
    Riccardo Brett(リッカルド・ブレット): Lyrics, Melodys & Vocal

    テトラグラマトンは美味しいか(2)

    Tetragrammaton(テトラグラマトン)
    Susumu Hirasawa+InhVmaN(インヒューマン)

    tetra

    2008年6月25日発売
    ケイオスユニオン(TESLAKITE)
    CHTE-0043
    1575円

    平沢進: Composition, Sub Vocal & Instruments
    Riccardo Brett(リッカルド・ブレット): Lyrics, Melodys & Vocal

    第1回試聴実況中継メモ

    01:Pan Daimon Aeon
    初期旬ぽいというかフリッパトロニクスぽいギターを重ねたループから始まり、遠くからアジアンなコーラスがかすかに聞こえてくる。
    イントロだけ聴けば、もろ平沢進なわけだが、そこに語りかけるように、おごそかにデスなヴォーカルがからんでくる。
    (デストローイとか言ってるようです)
    重厚なストリングスと壮大な聖歌隊的コーラスがからみ一気に盛り上げる。
    ハープと声帯破壊ヴォイスの取り合わせの妙。
    ギターのループって、やっぱり気持ちいい。

    02:Tetragrammaton
    エレクトリックなベースにからんで性急なリズムを刻むストリングス。
    『オーガン』のサウンドトラックを思わせるイントロにリッカルド・ブレットのシャウト、しゃんしゃん追い立てる鈴の音が被さってくる。
    お約束のパイプオルガンがゴシックなムードを盛り上げる。
    遠くから平沢ヴォイスと思われるコーラス。
    これでもかと一気に畳みかける平沢お得意のデストロイ・ギター。
    ソロよりもどっちかといえばP-MODELっぽい。
    「 MONSTER A GO GO」のデス・ヴァージョンと勝手に呼んでいる。
    さすがにタイトル・チューンだけあって、もっとも派手なナンバー。

    03:No Mourn…
    声ネタを重ねた後期旬ぽい浮遊感のあるサウンドに弩級の破壊音が重なる。
    超低音の呪詛ヴォイスにオーボエかなんかの管がからんで不安定感をいや増す。
    重なるストリングスとティンパニの連打が論理テノールか白色彗星でも現れそうなダーク度を上げる。
    『ベルセルク』っぽいと言えば話が早いのか。
    no mourn というより、mournな感じで不穏な余韻を残して終わる。

    これはMP3で聴いた第1印象であり、CDでじっくり聴き込むとまた印象は変わるでしょう。
    ところで、ジャケットを見て「ASHURA CLOCK」「LAYER-GREEN」を思い出したひとも多いのではないか。

    テトラグラマトンは美味しいか

    ニュースにも書いたが、イタリアのゴシック・メタル・バンド InhVmaN のヴォーカル Riccardo Brett と平沢進のユニットによるシングル「Tetragrammaton(テトラグラマトン)」が6/25にリリースされる。
    うっかり忘れそうになったが、もう2週間である。
    noroom.susumuhirasawa.com/modules/info/index.php?page=article&storyid=117

    もともとクラシック、プログレッシヴ・ロック、ハード・ロック(ヘヴィ・メタル)といったジャンルの音楽は集合が重なっているし、サスペリア(ゴブリン)の昔から、プログレとゴシック・ホラーは相性はいい。
    故に平沢サウンドもゴシック・メタルと相性ばっちり。
    「祖父なる風」「高貴な城」あたりの高揚感はいかにもデス・メタルのひとが好きになりそうなサウンドだ。
    ただ、聴く前はキング・クリムゾンの『the construKction of light』あたりを勝手に想像していたのが、そういうわけでもない。
    「エレクトロ・ダーク・シンフォニー」とはよく言ったものである。
    詳報はまた後日。

    Theピーズ ONE MAN LIVE 2008 at 赤坂ブリッツ

    6/8(日)にTheピーズのライヴを観に新しくなった赤坂ブリッツ(Blitz)へ行ってきた。

    ブリッツだけでなく、TBS会館などTBS放送センター周辺の建物は再開発でいったんすべ更地になり、跡地には豪勢なビルが立っている。
    TBS放送センターとこの1月末にオープンした赤坂Bizタワーを中心とする一帯を赤坂サカスと呼ぶそうだ。
    要は小さな六本木ヒルズみたいなもんなのだろう。
    と、なんでこんな説明をしているかというと、久しぶりにTBS方面へ行ってびっくりしたとうだけの話。

    さて、ブリッツだが、前のより小型化され、音がよくなったようだ。
    www.tbs.co.jp/blitz/

    自分がほぼホール中央といういいリスニング・ポジションにいたことと、サウンド・エンジニアの腕もあるだろうが、低音から高音までバランスがよく大音量で耳に痛くない。
    家に帰って耳鳴りがしていることに気づいたが、ライヴ中は音が大きいとは思わなかった。
    欲を言えばTheピーズにはもっと「粗い」音のほうが合っているということか。

    なお、このコンサートはちゃんと自腹である(いばることではない)。
    会場販売など限定発売CDも買った。
    ライヴの耳鳴りが消えたら大きめの音で聴いてみよう。
    ちなみに、物販コーナーは外で、客は入場前または終演後に買わなくてはならないのが、ちょっとイヤ。

    アル中
    thepees.com/cgi-def/admin/C-006/shop/goods/gd_4.html

    ゲロ犬ボウズ
    thepees.com/cgi-def/admin/C-006/shop/goods/gd_5.html

    3連ノリタね

    たまぶくロカビリー倶楽部


    (フラッシュサイトは不便だ)

    「耳鳴り -殉職バージョン-」はもう売っていなかった。
    「アル中」は、タイトルからしてメジャ−・リリース不能のため自主制作になったそうだが、なにはともあれ、こうやってフットワーク軽く新曲をシングル(EP)リリースしてくれるのは嬉しい。
    初期のビートルズみたいである。
    あ、そういえば、キングからは「日が暮れても彼女と歩いてた」という既発表曲のEPが出ていたのだっけ。
    『逃亡くそたわけ―21才夏』という映画のサウンドトラックらしい。
    www.cinehouse.co.jp/toubou/
    さらに『実験4号』というピーズの曲名を冠した小説+映画(DVD)のメディア・ミックスまでリリースされている。
    shop.kodansha.jp/bc/books/topics/jikken4go/
    世はTheピーズのブームなのか?
    単に業界ファンが多いわけなのだろうが。

    前置きが長くなった。

    Theピーズの結成は1987年6月9日(ロックの日)で、この日は結成21周年記念日の前夜祭だとか。
    去年は結成20周年ライヴだったし、毎年やるのか(笑)。
    リストはここらへんを見ていただくとして。
    whatever.cocolog-nifty.com/whatever/2008/06/theblitz_3b5c.html

    初期ナンバーをたっぷりやった20周年とは違って、今回は活動再開後中心のフツーの選曲。
    ライヴではいつも当然のようにスタジオよりアップテンポになるが、この日はスタジオと同じくらいのテンポに感じた。
    ノリが悪く感じるほど遅いわけではないが、バランスのよいサウンドと相俟ってTheピーズが「うまい」バンドであることがよくわかるライヴだった。
    Theピーズは自分にとっては永遠の新人バンドなのだが、客観的に見ればヴェテランもいいとこなので(プロモーターの名前はヴィンテージロックだ)こういうライヴもありだろう。
    スタンディングながら落ち着いて聴ける(はちょっと言い過ぎ)体にやさしいパンクである。
    まあ「ニューマシン」からの本篇ラスト4曲の畳み込みはすごかったし、2回目のアンコールは圧巻だったけど。

    こうやって年に1回、東京のホールや大きめのライヴ・ハウスで演ってくれるとロートル・ファンは嬉しい限りだ。
    マスタニさんは元気かなあ。

    春の新譜と旧譜

    春ですね。

    某サイトの動作検証用に自サイトにブログモジュールを導入したので、 ちょっと書いてみようと思います。
    あくまでテスト用なので継続して書くかどうかわからないし、予告なく廃止するかもしれません。

    今月はCDを買ったり貰ったりすることが多かった。
    事務所がサンプル盤のCDやテープで溢れかえっていたのも、数年前までのこと。
    今ではすっかり音楽関係の仕事をしなくなってしまったので、サンプル盤が送られてくることもほとんどなくなった。
    まあ、もともとサンプル盤のほとんどは廃棄物になる運命で、だからこそ音楽関係の仕事をしなくなったのだからいいのだけど。
    CDを買うこと自体も少なくってしまったので、今月のようなのは珍しい。

    まだそれぞれ1〜2回しか聴いてないけど、雑感など。

    ●生きること / ヒカシュー

    四本淑三のサイトで紹介されていたので、巻上サイトで通販を申し込んだ。
    www.gnarbs.com/?p=158
    www.makigami.com/

    2008年4月25日発売ではあるが、巻上サイトの通販だと早く届くかも、という話だったが、確かに1週間早い4/18には届いた。
    レコード店への配慮なんかしなくていーもんね的売り方。

    ヒカシューは、フリー・ジャズみたいになってから、疎遠になってしまって、新譜を聴くのは『あっちの目こっちの目』(1993.10.25)以来である。
    とか思ったら、その間に出た純粋な新譜は『転々』(2006.10.1)だけらしい。
    セルフカバーとかベストとか発掘音源とかはあるにしろ『転々』を買えばオリジナル・アルバムはコンプリートだ(笑)。
    ヒカシューもいろいろだったんだなあ。

    でもって、新譜『生きること』ですが、1周して初期のテイストに戻った…わけではないが、好きなサウンドである。
    『転々』も買ってみようかな。
    シングルにしただけあって、やっぱ「入念」はアルバム中もっとも「よくできている」曲ですね。
    古い曲も入っているようで、いったいつ作られた曲かはわからないけど「ベトベト」という「プヨプヨ」「ドロドロ」みたいなタイトルの曲もあって、これは珍しく政治ネタっぽいフレーズが随所にあり、巻上公一がどうも怒ってるっぽい。
    もしかして、イラク戦争のころの歌なのかと思ったりして。

    ●入念 / ヒカシュー

    『生きること』の先行シングル。
    アルバムとシングルの両方を申し込んだのにアルバムの料金しか請求が来なかったのでおかしいなと思って問い合わせたら、巻上公一本人から返信が来た。
    名乗らなくてもいいのに(笑)。

    3曲中2曲はヴァージョン違いがアルバムに収録されているが「カレー三昧」というアルバム未収録曲に魅かれて一緒に申し込んだ(笑)

    ●Rekonnekted Extension Kit:001 / 4-D mode1

    中野で取材があったので、メカノへ寄ってみた。
    でもって、絶賛発売中のコレを買ってみた。
    エンハンストCD仕様というのを知らずに、4曲目が再生できねー、CD-Rだからか、とか思ってしまいました。
    データはまだ聴いてません。

    1曲目のイントロからして、めちゃくちゃ心地よいです。
    エンドレスで流したい感じ。
    インスト版が欲しいなあ。
    www.4dmode1.jp/

    ●NEU! / ノイ!

    クラウス・ディンガー死亡(2008年3月21日-享年61)記念買い。
    こんどメカノへ行ったら、ラ・デュッセルドルフも買おうか。
    こうやって、アナログやテープでしか持っていない音源、当時は買わなかった音源をメカノで「ついで買い」しているのだ。

    あ、中野店長情報によると、DEVOが来日公演するらしい。
    行こうかな、やめようかな。
    (どっちなんだ)

    ●Big Brother – 可逆的分離態様 / 核P-MODEL

    思い切りモズライトの試し弾きをしてみたかったんだろうな、と想像。
    オリジナル作品では、節操を求められるので(笑)。
    中野さんのおかげで無節操かつ野放図な平沢進を聴けました。

    そういえば、核P-MODELのレヴューなんか書いたっけ? と気になって自分のサイトを探索したら、当時のBBSにシリーズ書き込みをしていたのを発掘した。

    ●PHONON2550 LIVE / 平沢進

    まだ1回しか聴いてないけど、うるさいよ(笑)。
    やかましいCDです。
    ライヴ未経験のリスナーはびっくりするだろうなあ。

    このタイ歴ライヴはシリーズ化するらしく、今秋が楽しみでありますが、本物のタイでタイ歴を感じてみたくもあります。

    ●J-POP / 電気グルーヴ

    散発的にライヴをやったり企画モノを出したりと活動していたようだけど、これで本格的に活動再開となったのだろうか。
    『VOXXX』までは某誌で担当してたのだが、今は普通のお客さんより情報を持ってません。
    8年ぶりのオリジナル・アルバムになるわけね。

    そんなに驚きのあるサウンドではないけれど、キックの音圧が強いのでスピーカ再生時は近所迷惑にならないよう配慮したい。
    テクノとテクノポップと歌謡曲の要素が電気グルーヴらしく混じり合ってって、なるほどの「J-POP」ぶりである。
    卓球としては、先鋭的なことや趣味的なことはソロでもほかのプロジェクトでもできるし、やろうと思えばなんでも自由にできるポジションにいるわけで、電気は瀧なしではありえないこと、もしくは自分にとっての「王道」を表現する場、と考えているなんじゃなかろうかと。
    電気グルーヴを10年近く取材した身としては、いかに卓球が瀧LOVEで、瀧あっての電気グルーヴであるか、よ〜くわかってるだけに、そう思います。

    相変わらずアート・ワークがいい。
    今回はグラフィック・デザインも田中秀幸なのか。
    や、ヘンな合成(変形)写真とかはわりかしどうでもよくて、ブックレットの紙の選び方とかフォントの扱い方とか、スミと特色金の使い方とか、いいなあと思って。

    CCCDだった卓球ソロとかあんまし聴いてなかったけど、改めて聴いてみようかと思ったりする春です。

    アバウト

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    書き手は、編集業・著述業を生業としていたはずが、今はよくわからないことになっている 高橋かしこ です。
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