だからさ、いつも言ってるでしょ。
「日食」じゃあ、日本食堂の略だって。
まあ、今は日本レストランエンタプライズとかってわけのわかんない会社名に変わったから、国鉄民営化後世代には馴染みはないだろうが、昔は世界一不味くて高い親方の日の丸レストラン・チェーンとして名を馳せていたんだから。
と思って検索したら、その不味さは博物館級だったらしく、鉄道博物館に陳列されておる。
www.nre.co.jp/tenpo/16981/16981menu.html
ということはどうでもよろしい。
戦後の造語であるところの「日食」はキモチワルイという話だ。
この代用漢字というやつほど気持ちが悪く、罪深いものはない。
これならまだ「日しょく」とか開いたほうがまだマシだ。
いや、これも相当に気持ち悪いな。
潔く「にっしょく」としていただきたい。
だいたい「むしばむ」と「くう」じゃ、ぜんぜん意味が違うでしょ。
なのに音が同じというだけで用字を変えるなんて乱暴過ぎる。
そういえば昔の衛星放送はTV欄に「食のため放送休止」とかって書いてあって、まじめに「職員の食事休憩」かと思ったものだが、あれは「蝕のため」なんだよな、天文用語の。
間違った用字が誤解を生む好例だ…違うか。
そもそも国家が言葉の成り立ちを無視し、国民に誤った知識を押しつけようとしているのだから犯罪的だ。
そのお先棒を担ぐ大手マスコミはマスゴミと言われてとも仕方あるまい。
長年の歴史のなかで言語の使用者が誤用を重ねて、意味や表記が転じていくのは言葉の必然であるが、かようにして国家規模の策謀で言語を破壊した例はない…というのは大嘘で、おとなり中華人民共和国の漢字事情はもっとひどいが、他所の国だからほうっておく。
というわけで2132年になったらまた怒りたいと思う。
そういえばNEWSのほうには書いておいたけど、平沢進のアルバム『SIREN』と『救済の技法』がボーナストラック入りのHQCDとして再リリースされた。
HQCDと似たようなものにSHM-CDというのもあるらしいが、どちらも聴いたことがないので、音質についての言及はできない。
UHQCDプロモーションWEB
columbia.jp/hqcd/
shm-cd.co-site.jp/
記録方式の違いではなく、記録メディアの品質の差ということだが、それで果たしてどれだけ音質の差が出るのか。
眉唾とまでは言わないが、それなりの再生装置がなくては差がわからないであろうというのは想像に難くない。
次世代CDの規格がDVDオーディオとSACDに分かれてぜんぜん普及しないってのがこういうよくわからんメディアの出てくる原因なのだろうが、DVDオーディオとSACD、どちらにしろくだらないコピープロテクトはかかってるわけで、DVDビデオ同様に「再生の自由」すら保証されていない。
私的複製権なんてもってのほか、勝手に再生しただけで泥棒呼ばわりのメディアなんて、なんだかなあ、もういいよ、という気がしてくる。
いずれにしても聴いたことがないものの話題は広げようがないので次。
P-MODELのアルバム『舟』が「オンデマンドCD」で出た。
条件付ではあるが、これはけっこういいことなんじゃないかと思う。
そもそもCDというメディアはオンデマンドに向いているにも関わらず、なんで昨年になってようやく商品化されたのだろう。
ぜんぜんオンデマンドに向いていない出版(書籍)の分野のほうが昔からオンデマンドに熱心だったのだから不思議だ。
いや、不思議ってことはないんだけど、出版界以上に音楽界がダメってこったろうなあ。
そもそも今は各社がこぞって参加している音楽配信事業だって、10年前は「つぶしちゃえ」というのが業界の趨勢であったのだ。
オンデマンドCDというのも、そういうダメな業界が死蔵しているコンテンツをなんとかしようとようやく考え始めたということの表れだろう。
単にごく一部の社員の気の利いたアイディアかもしれないし、TV放送のオンデマンドに触発されたのかもしれないけどね。
書籍に限らず、映像や音楽を含めた広義の出版(プレス)界全体に言えることだが、増刷(再プレス)しないくせに権利だけは死んでも手放さないため、コンテンツが世の中に出回らずに死蔵されるというケースは多い。
権利は手放したくないけど、少数を売ってもペイしないからプレスしない、というのは企業の論理としてわかる。
しかし、ならば、ほかで製品化したいという時には出版権なり原盤権なりを貸してやりゃあいいじゃないかと思うが、法外な値段をふっかけて、話をつぶしてしまう。
これでは権利を有する側、借りる側、どちらにとっても損になるはずなのだが、コンテンツの「相場」を崩したくないのだろうか。
このような得をするわけでもない企業のよくわからない事情によって死蔵されたコンテンツは数多く、動画投稿サイトが救済の場になっていたりするから皮肉なものだ。
違法コンテンツだらけの動画投稿サイトにおいても、暗黙の諒解、暗黙のルール、一種の「仁義」として、製品化されていて入手が容易なものはアップロードしない、ということがあるようだ。
金を出せば手に入るコンテンツをアップロードするやつも、タダで欲しがるやつも軽蔑される。
ちょっと屈折したモラルのようなものがある。
というわけで、死蔵されるくらいなら、こうやってオンデマンドでプレスしてくれるほうがありがたい。
ただ、ここから一歩進んで、CDオーディオのISOイメージをダウンロード販売してくれれば、販売する側も購入する側ももっと手間がかからず簡単に済むのにな、とは思う。
LinuxなどOSの配布は今やDVDのISOイメージのダウンロードが一般的であるし、DVDビデオなんかもISOイメージによる販売が行われている。
なぜにCDだけこのような販売形態を取れないのか謎だが、10年前は「MP3はそれ自体悪」としていた業界であるからして、コピープロテクトをかけられないとか、じゃんじゃん焼かれて売られては困るとか、いらんことをいっぱい考えているのだろう。
オンデマンドCDが出てきただけでもマシである。
そうこうくだらないことを言っているうちにブラザーのプリンタ複合機が壊れてしまった。
ほんとに故障は呼応する。
困ったもんだ。
ということではなく、話は「ネットブックは100円PCじゃない」という方向へ向かうのだが、長くなりすぎたので、また改めて。