ごめんね、Firefox

メモリ・リークらしき現象に悩まされていると書いたが、どうやら真犯人は別なところにいたらしい。
グラフィック・ボードを取り替えたら、ウソのように怪奇現象は収まってしまったのだ。

ハードウェア的に故障したのか、ソフトウェアの不具合かはわからないが、Fedora8では問題なく、Fedora10にしてから問題が発生したということは、後者の可能性が高いのではないか。
もちろん、OS入れ替えのタイミングでたまたまハードに不具合が発生した可能性も否定できないが、ほかの環境で検証することなく、古いボードは物入れへ仕舞われてしまった。
いや、仕舞ったのは自分だけど。

Fedora(というかLinux全般?)のドライバ開発は nVIDIA GeForce ばかりに力が入っていて、ATi Radeon のドライバは性能が低かったり、不具合があったりすると評判が悪かった。
しかしながら、事務職である自分にはどうも GeForce は敷居が高いというか、ゲーマー御用達のイメージがあって、これまでは Radeon を使っていたのだ。
いや、 Radeon だってゲーマーが使ってるとは思うけど、自分が使っていたのは X300SE 128MB というロウ・エンド向けだし、使い始めたのは PCI Express になってからで、ほかに選択肢がなくなったからだ。
AGPやPCIの時代はMatroxのMillennium を使っていたし、ISAの時代は…S3 ViRGE とかだったかなぁ……覚えてないや。
確かに、Fedora8でも Radeon では Compiz なんかはフリーズしまくりだったので切っていたが、普通にGnomeで1600×1200表示するぶんには問題なかった。

であるのだが、こうしょちゅうXが落ちるようになったのでは、致し方ない。
とうとう nVIDIA の軍門に下ることになった。
といっても、原因がRadeonドライバと決まったわけではないので投資は最低限。
これまたロウ・エンド向け、いわゆるエントリー・モデルの 9500GT DDR2 512MB というやつ、しかもバルクだが、ゲームなんかまったくやらないので、これで充分である。
いや、ゲームなんかまったくやらないのであればオンボード・チップでよいではないかと言う向きもあるだろうが、1600×1200でワークスペース4面、しかもVMを使ったりするには、オンボードでは頼りないし、そもそも使ってるマザーボードにグラフィック・チップは載っていない。

結果として、不具合は解消されたのだが、ふだんの表示性能は、体感できるほど変わらないのが悲しい。
自分の作業的には前のボードのスペックで充分だったということか。
まあ、それでも4面のワークスペースを行き来するのは軽くなったし、Compiz も問題なく動くようになった。
いや、Compiz が動かなくても、仕事上は関係ないのだけど、まあ、気分の問題だ。

さて。
というわけで Firefox が真犯人ではなかったようなのだが、Flock に比べて Firefox が重たく、メモリ・リークと見られる現象が起きるのもまた確かなようなので、現在も Flock を使い続けている(余計な機能も多いのだが)。
ただ、Firefox もホームディレクトリ上の設定ファイルやプラグイン、アドオンの類をいったん全て消去したら、かなり動作は軽くなった。
ほんとはメジャー・ヴァージョン・アップの際にはいったんそれらを消去して、バックアップから復元すべきらしいのだが、めんどくさいので1.xあたりからずっとそのままにしていたのがいけなかったらしい。
というわけで、Firefox よ、疑って悪かった。

VirtualBox は Amigan のために

VirtualBox 2.1.2 がリリースされた。
2.1.1 がちょっと不安定な気がしていたので(気のせいかもしれないが)今回はちゃんとまじめに Changelog を読んでみた。
そして、目を疑った。

# VMM: fixed guru meditation for PAE guests on non-PAE hosts (AMD-V)
# VMM: fixed guru meditation on Mac OS X hosts when using VT-x
# VMM: fixed guru meditation when installing Suse Enterprise Server 10U2 (VT-x only; bug #3039)
# VMM: fixed guru meditation when booting Novell Netware 4.11 (VT-x only; bug #2898)

www.virtualbox.org/wiki/Changelog

……や、guru meditation って、それって一般的なPC用語じゃないでしょ。
Amigaユーザと平沢進リスナ以外、わからんでしょう。
もともとはドイツのヴェンチャ企業かもしれんけど、今やサン・マイクロシステムズでしょう。

やっぱりな、ドイツで妙なものを開発するのは、Amiganか。
VMのご先祖たるエミュレータはAmigaの十八番だもんな。
詳しく調べたら、UAEやAmithlonの開発スタッフがいるかもね。

リーク・リーク♪ メモリ・リーク♪

リーク、といってもP-MODELは関係ない。
このところ、メモリ・リークらしき現象に悩まされている。
PCを操作中に急激に動作が重たくなり、しばらくするとフリーズしてしまうのだ。

Fedora10にしてから起こった現象であるが、Fedora10関連のBBSで同様の現象は報告されていないし、Fedora10全般に起きる現象なら今ごろ大騒ぎになってるはずなので、たぶん個別の環境に起因する問題なのであろう。
システム・ログを見てもその痕跡がないので、システム内部でどういう現象が起きているか、その原因がなんなのか、よくわからない。
ハードウェア的な問題かと Memtest86 でメモリを、DFT (Drive Fitness Test) でハードディスクをチェックしてみたが、エラーはなし。

いろんなアプリケーションを停止したりして調べてみたのだが、どうも単独犯ではなく、複数犯のようで、こいつが悪い! という原因の特定ができない。
いちばん怪しいのが Atok X3 for Linux で、次が Firefox3 であり、どちらも以前のヴァージョンでメモリ・リークの前科がある。
Sylpheed (メイル・クライアント) で文字入力中にフリーズしたこともあるので、ほんとは Atok をまず止めるべきなのかもしれないが、別なIMにすると仕事にならないので、これを止めるのは最後にしたい。

Firefox3 にしても、本体に問題があるのか、プラグインに問題があるのかわからないので、プラグインやアドオンの類をすべて無効にしてみた。
Flashのプラグインも過去にメモリ・リークの報告がある。
www.bub-site.com/archives/2005/09/000386.html

Adobe製品は伝統的にメモリ管理がなっておらず、野放図にメモリを喰いまくる習性があるので、Adobe Reader や Adobe AIR なんかもかなり怪しい。
あとは、Compiz (デスクトップの表示効果拡張) とかバックアップ・ソフト FlyBack (rsyncのGUIフロントエンド) とか KFTPGrabber とか、挙動が怪しいものはいろいろあるが、そういうのは切ってしまっても仕事上差し支えない。

Firefox本体やプラグインに問題がなくても、JAVAスクリプトなどによってメモリ・リークを引き起こされることもあるらしい。
Firefox にはメモリ・リークをチェックするプラグインがあるので、それを入れてみた。
Leak Monitor
addons.mozilla.org/ja/firefox/addon/2490

そうしたら、出るわ出るわ、もうしょちゅうポップアップするのでうざくて使えないほど、メモリ・リークのアラートが出まくる。
Firefox本体の問題ではなく、表示したサイトのスクリプトに問題があるのかもしれないが、やはり Firefox の使用が原因のひとつであるのは間違いない。
にしても Firefox の代替ブラウザといってもなあ。
Opera は動作は機敏だし、悪くはないが、プラグインが貧弱なので、見られないサイトが多い。
テキストと写真程度のHTML文書をローカルで見るなら Konqueror もいいのだが、やはりWebサイトを見て回るには不便だ。

そこで行き当たったのがこの記事。
jp.techcrunch.com/archives/firefox-3-beta-1-the-memory-use-says-it-all/
早速 Flock 2.0 をインストールしてみた。
flock.com/

Flock は、Firefox をベースに開発されたブラウザで、Firefox のプラグインやアドオンのほとんどがそのまま利用でき、インストール時に Firefox のブックマークや蓄積された個人情報を簡単に引き継ぐことができる。
Flock 2.0 は、Firefox3 がベースになっており、今のところまだ英語版しかないが、Firefoxユーザなら問題なく使えるだろう。
ウリはSNSやブログ、ソーシャルブックマークなどの利用がより便利になった「ソーシャルWebブラウザ」とのことであるが、個人的にはそういう附加機能はどうでもよい。
www.atmarkit.co.jp/news/200711/05/flock.html

インストールしてみて、Firefoxより動作が軽快であることがすぐにわかった。
メモリ使用量自体は少なくなく、タブを20とか開いていると180MBくらいはいってしまうが、Firefox3よりはるかに動作が軽い。
そして、悩まされていたメモリ・リークらしき現象の起きる頻度は激減した。
メモリ・リークらしき現象がまったくなくなったわけではないが、我慢できる程度に減った。
Flock の開発には Nautilus の開発元だった Eazel のスタッフがかんでいるというのも納得である。
d.hatena.ne.jp/keyword/Eazel

ハードディスクが止まる前に

さて、Psionパーツが届かないので、正月休みには別なことで時間を潰すことにした。
ラップトップPCとヴィデオレコーダのハードディスク換装である。
仕事か読書でもすればよかろうと自分でも思うのだが、インフルエンザから生還したばかりで、そのような生産的で向上心のあることはする気にならないのである。

インフルエンザ(A型)というのは初めてかかったのだが、検査をしていなければ風邪のひどいやつだと思っていたであろう。
世に言うほど違いはない。
しかも、診察した医師は、大きな総合病院のくせして「タミフルはおすすめしない」だの「アメリカじゃあんまり使ってない」だの「たいして効かないのに日本だけ」だのと、まるで陰謀論者のようなことを言う(笑)。
「いや、薬自体は問題ないんだけど」と、とってつけたように言うところがまた怪しい。
そんなにオススメされない薬ならば飲まないでおいておくことにしたのだが、それでもひどい症状は1週間も経たずに治まってしまった。
予防接種もあまり効かないらしいし、インフルエンザってなんなんでしょう。
風邪のひどいやつなんじゃないでしょうか。

話が逸れた。
ハードディスク換装である。
ラップトップPCもヴィデオレコーダも、ユーザ自身がHDを換装するような仕様にはなっておらず、勝手に換装するのは保証外である。
しかし、どうせどちらも保証期間は切れている、構うことはない。
ヴィデオレコーダのほうはたまにハングアップしたり、HDが異音を発したりする。
このままではお亡くなりになる日も近そうで、施術は急がなくてはならない。

ラップトップPCのほうは、壊れる予兆があるわけでないが、購入時のカスタマイズでけちってしまったのでOSをデュアルブートにするには容量が少なく、また2年前の製品なので回転数やバッファなどHD自体の性能も低く、どうも動きが鈍い。
この機種は、HDの換装はCPUの換装よりも遙かに予算がかからないうえに、体感速度の向上という意味では効果的と言われている。
この際だやってしまおう。

こういう時に便利なのは、やはりインターネットで、分解の仕方だのヴィデオレコーダの裏メニュー(保守メニューとかサービスメニューとかメインテナンスメニューとも言う)の呼び出し方だのといった情報がいとも簡単に手に入る。
…いや、非合法なことをやっているわけではないのだが。

というわけで、ラップトップPCのHD換装は無事完了。
これを機会にFedora10の64bit版を入れてみることにした。
めったに使わないVistaは再インストールも面倒なので、パーティションごとコピーしたのだが、BIOSにシリアルナンバが入っているらしく、OSのアクティヴェイションをやり直す必要もなかった。
Fedoraは違うヴァージョンにしてしまったので単純比較はできないが、鈍亀Vistaはかなり動きがよくなったようである。

ヴィデオレコーダのほうだが、これが実はまだ終わってない。
中にたまった録画番組の整理に手間取っているのだ。
これもHDのコピーができたらどんなにラクかと思うのだが、果たしてどんなファイルシステムになっているのだろうか。
まさかNTFSやVFATってことはないだろうし…と思って、ちょっと調べてみるとext系という確証のない話がひっかかった。
換装したらLinuxでマウントできないか試してみよう。

税関はいつまで休んだか

インフルエンザのおかげで予定外に長く取ることになってしまった正月休みの楽しみにと、壊れてしまった Psion Series 5 の修理をすることにした。
もちろん、そんなもののパーツは国内で普通に売られているわけがないので、海外(イギリス)から買うことになる。
しかし、ちょっと考えが甘かった。
郵便物の通関を行う税関はお役所であり、12/27から1/4までの年末年始はたっぷりとお休みになるらしいのである。
郵便物の通関業務が日曜祝日や土曜午後が休みということは知っていたが(これも初めて知った時は驚いた)まさか、9日間にわたって休もうとは思わなかった。
おかげで、元日に成田に着いた荷物は今日(5日)まで寝かされるはめに。
ネットでトラッキングしたところ、ようやく本日昼に通関を終え、現在は近所の配達局まで輸送中である。

ちなみにに、12/27に東京からドイツへ向けて発送した荷物は、12/29にフランクフルトへ到着し、ちゃんと1/2には配達されている。
生活習慣の違いはあるとはいえ(向こうはクリスマスに休むだろう)日本のお役所ももう少しなんとかしてもらいたいものである。
郵政民営化でサーヴィスが向上しても、これでは意味なしである。
せめてEMSくらいは、休日関係なく通関業務をすべきではなかろうか。

これが趣味のものであったからまだいい。
仕事関係であれば、EMSなんぞ使わずUPSなりFedExなりDHLなりを使うだろう。
それらのいわゆる国際宅配便は、通関業者も兼ねているので、休日も関係なく通関業務を行っており、荷物を寝かせるようなことはしない。
EMSより割高とはいえ、ビジネス用途なら背に腹は代えられない。

そういえば、昨年の平沢進のライヴ PHONON 2551 で使った Musical Tesla Coil Zeusaphone は、本番3日前になってようやくリハーサル・スタジオに届いたのだが、もし FedEx を使っていなかったら本番に間に合わなかったかもしれない。
輸入代行業者(笑)としては、実にはらはらさせられた。
国内では極めて珍しいブツであったため、通関に引っかかって中身をチェックされることになったが、通関を終えた荷物はいちはやく引き取りたいむね相談すると、配達先の変更だの、特別便だのとさまざまなオプションを用意してくれた。
もちろん有料だけど。
パーツごと4個の箱に詰められた Zeusaphone が届いた時には万歳三唱したものである。

Zeusaphone の制作者によると、テスラ・コイルを楽器としてライヴで使用したミュージシャンは、世界で平沢進が初めてなそうである。
それもそのはず、Zeusaphone 自体が売れたのもこれが初めてらしい(笑)。
ただでさえ怪しいテスラ・コイルを「電子楽器」だと言い張って、よく通関をパスしたものである。
テスラ・コイルで「演奏」したわけではないが、日本におけるテスラ・コイル研究者/パフォーマの第一人者、薬試寺美津秀さんが作った巨大テスラ・コイルがチューブのコンサートで使われた例はあるそうで、ひょっとすると、それが「前例」になったのかもしれない。

通関をパスしたとはいえ、Zeusaphone が果たしてほんとにネット上の映像で見たようにバリバリ働いてくれるのか、組み立ててスウイッチをオンした途端に感電や電磁波で黒こげにならないか、たとえ派手に動いてくれたとしても会場側に「やめてくれ〜!!」と言われやしないか、などなど心配したが、結果から言えば大成功である。
にしても、紙切れ1枚というAmigaの周辺機器並みに簡素なマニュアルで、よくぞちゃんと組み立てて稼働させられたものだ。
感電を恐れずMIDI機器を接続・調整してくれた音響スタッフに感謝。
もちろん、最終的にサウンドを奏でたたのは演奏者自身なわけで、いくらAmigaで慣れているとはいえ、コンピュータのハングアップももろともせず、変態な機器をよくぞ使いこなしたものである。

今回はステージの広さの都合で、ファラデー・ケージは125cm四方、高さ310cmというサイズに縮小されたが、本来は250cm四方であり、放電の規模もケージのサイズまで大きくなる(予定)。
次の活躍が楽しみである。