税関はいつまで休んだか

インフルエンザのおかげで予定外に長く取ることになってしまった正月休みの楽しみにと、壊れてしまった Psion Series 5 の修理をすることにした。
もちろん、そんなもののパーツは国内で普通に売られているわけがないので、海外(イギリス)から買うことになる。
しかし、ちょっと考えが甘かった。
郵便物の通関を行う税関はお役所であり、12/27から1/4までの年末年始はたっぷりとお休みになるらしいのである。
郵便物の通関業務が日曜祝日や土曜午後が休みということは知っていたが(これも初めて知った時は驚いた)まさか、9日間にわたって休もうとは思わなかった。
おかげで、元日に成田に着いた荷物は今日(5日)まで寝かされるはめに。
ネットでトラッキングしたところ、ようやく本日昼に通関を終え、現在は近所の配達局まで輸送中である。

ちなみにに、12/27に東京からドイツへ向けて発送した荷物は、12/29にフランクフルトへ到着し、ちゃんと1/2には配達されている。
生活習慣の違いはあるとはいえ(向こうはクリスマスに休むだろう)日本のお役所ももう少しなんとかしてもらいたいものである。
郵政民営化でサーヴィスが向上しても、これでは意味なしである。
せめてEMSくらいは、休日関係なく通関業務をすべきではなかろうか。

これが趣味のものであったからまだいい。
仕事関係であれば、EMSなんぞ使わずUPSなりFedExなりDHLなりを使うだろう。
それらのいわゆる国際宅配便は、通関業者も兼ねているので、休日も関係なく通関業務を行っており、荷物を寝かせるようなことはしない。
EMSより割高とはいえ、ビジネス用途なら背に腹は代えられない。

そういえば、昨年の平沢進のライヴ PHONON 2551 で使った Musical Tesla Coil Zeusaphone は、本番3日前になってようやくリハーサル・スタジオに届いたのだが、もし FedEx を使っていなかったら本番に間に合わなかったかもしれない。
輸入代行業者(笑)としては、実にはらはらさせられた。
国内では極めて珍しいブツであったため、通関に引っかかって中身をチェックされることになったが、通関を終えた荷物はいちはやく引き取りたいむね相談すると、配達先の変更だの、特別便だのとさまざまなオプションを用意してくれた。
もちろん有料だけど。
パーツごと4個の箱に詰められた Zeusaphone が届いた時には万歳三唱したものである。

Zeusaphone の制作者によると、テスラ・コイルを楽器としてライヴで使用したミュージシャンは、世界で平沢進が初めてなそうである。
それもそのはず、Zeusaphone 自体が売れたのもこれが初めてらしい(笑)。
ただでさえ怪しいテスラ・コイルを「電子楽器」だと言い張って、よく通関をパスしたものである。
テスラ・コイルで「演奏」したわけではないが、日本におけるテスラ・コイル研究者/パフォーマの第一人者、薬試寺美津秀さんが作った巨大テスラ・コイルがチューブのコンサートで使われた例はあるそうで、ひょっとすると、それが「前例」になったのかもしれない。

通関をパスしたとはいえ、Zeusaphone が果たしてほんとにネット上の映像で見たようにバリバリ働いてくれるのか、組み立ててスウイッチをオンした途端に感電や電磁波で黒こげにならないか、たとえ派手に動いてくれたとしても会場側に「やめてくれ〜!!」と言われやしないか、などなど心配したが、結果から言えば大成功である。
にしても、紙切れ1枚というAmigaの周辺機器並みに簡素なマニュアルで、よくぞちゃんと組み立てて稼働させられたものだ。
感電を恐れずMIDI機器を接続・調整してくれた音響スタッフに感謝。
もちろん、最終的にサウンドを奏でたたのは演奏者自身なわけで、いくらAmigaで慣れているとはいえ、コンピュータのハングアップももろともせず、変態な機器をよくぞ使いこなしたものである。

今回はステージの広さの都合で、ファラデー・ケージは125cm四方、高さ310cmというサイズに縮小されたが、本来は250cm四方であり、放電の規模もケージのサイズまで大きくなる(予定)。
次の活躍が楽しみである。

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