3月21日リリースのアルバム『Oscillator and Spaceship』を携えた中野テルヲ“Live Tour 2012”最終日へ行ってきた。
(音楽ライターみたいな書き出し)
『Oscillator and Spaceship』には「グライダー」なんて曲が入っていて、精神がゆったり滑空できるという意味ではこの作品を象徴している。
そっから「宇宙船」「フレーム・バッファ II」につながるのだけど、この流れは素晴らしく心地よい。そんな気持ちよさを求めて高円寺まで行ったのだが、途中ほんとに眠りそうになってしまった。
わたしにとって眠たくなるライヴというのは実は最高の誉め言葉であるのだけど、それは曲調や音量には関係ない。
爆音のほうがむしろ眠りやすいかもしれない。
この日のサウンドがこれまでとは違って聞こえるのはどうしてだろうと思いつつステージを眺め、ああなるほどと思った。
もともと中野テルヲは「一糸乱れぬ」という印象があるわけだけど、ステージ上の機材配置や配線がこれまで以上に「あるべき姿」に落ち着いていた
見事に束ねられ美しいラインを描くケーブル類のように、サウンドもまた整理され均衡がとれているのだ。
音の輪郭がはっきりとして、まっすぐ耳に届く。声が近い。
機材が整理されていれば整理されたサウンドが出るわけではないが(当たり前だ)演者の精神のありようには影響するだろうし、精神のありようは物に現れる。
『Oscillator and Spaceship』収録曲はもちろんのこと、以前の曲も明瞭に伝わるのは会場のミキシングのおかげだろうか。
そう思って終演後に少し本人に尋ねてみたところ、新曲以外のオケも手を入れて、分離をよくしたそうだ。
PCからサウンドをダイレクトに出力しているぶん(バンド・サウンドなどと違って)ミスするとすぐわかっちゃうんですと笑っていたが、そうした緊張感もまた音を澄ませているのかもしれない。
(音楽ライターみたいな落とし方)
中野テルヲ 「Live Tour 2012」
2012/04/08(Sun)
高円寺・KOENJI HIGH
01. ジムノペディ第1番
02. Game
03. Amp-Amplified
04. フレーム・バッファ I
05. Mission Goes West
06. 振動子
07. Imagine
08. Pilot Run #4
09. サンパリーツ
10. Run Radio IV
11. 雪山
12. Pilot Run #7
13. デッドエンド羅針
14. 操行ゼロ
15. グライダー
16. コンダクター・プラス
17. Let’s Go Skysensor
18. 宇宙船
19. フレーム・バッファ II
EN
20.Long Distance, Long Time
21.Eardrum
*曲目追記: そうそう1曲目にやったサティのように、計算されて配置された家具を思わせました