昨10月4日、Theピーズの「ONE MAN LIVE 2009 at 赤坂BLITZ」を観てきた。
大きめの会場でのワンマン・ライヴは年に1度くらいなので、なんだかTheピーズのライヴを観に行くのも年中行事化してきた。
そのくせまったく「予習」をしていなかったので、物販コーナーを覗こうとするが、長蛇の列。
ブリッツの物販コーナーは、ロビーなんかの仮設のものとは違って、常設の売店みたいになっており、会場外にある。
間口が狭く、列の後ろからはぜんぜん商品が見えないし、入場後に開演までの時間つぶしに眺めることもできない。
Theピーズのライヴで初めて椅子席を選んだ。
数少ない2階席は根性なしのロートル・ファンが占めるのだろう。
会場では、ずっとヴェルヴェッツが静かに流れている。
ヴェルヴェット・アンダーグラウンドとTheピーズの取り合わせは妙だなぁ、とか、ジョン・ケイルのライヴを九段会館で観たのはいつだっけ、とか思いながら、しみじみ20分。
「オール・トゥモロウズ・パーティーズ」がフェイド・アウト、爆音でザ・ビートルズの「ミスター・ムーンライト」が鳴り響き、3人が登場。
リマスタ記念か十五夜記念か、Theピーズらしからぬカッコよい登場、と思ったら、はるはいきなりだらだらしゃべり始めたりたして、ぜんぜんキマらない。
さすがTheピーズ。
いつもの競馬ネタから「耳鳴り -殉職バージョン-」でスタート。
やっぱり、ここは音がいいなあ。
自分がほぼホール中央といういいリスニング・ポジションにいたことと、サウンド・エンジニアの腕もあるだろうが、低音から高音までバランスがよく大音量で耳に痛くない。
と、同じ赤坂ブリッツでのTheピーズ・ライヴについて去年書いたけれど、2階の上手寄りで聴いても、いい音だった。
ドラムの音は迫力があるのに、ヌケがよくクリアで、フロア・タムの音は和太鼓のように響く。
Theピーズは今年デビュー20周年だが、2年前に結成20周年を大々的に祝ったので、この日はいつもの普通のライヴ。
ゲストでテンガロン・ハットのウルフルケイスケが登場したが、単に遊びに来たノリっぽかった。
EP「’09初夏盤」が発売になっているのを知らなかったが、初聴ながら曲紹介のあった「ロンパリンラビン」「絵描き」「初夏レゲ」はすぐに耳になじんだ。
「初夏レゲ」はトモフスキーも参加しているのか。
さらにCD未収録の新曲なんかもあったりして、やっぱりTheピーズはライヴだよなぁ、などと思う。
この日はお祭りではなかったので、最近の曲が中心だったが、アンコールでは「Yeah」なんかもやったりして、2階から見たフロアは大揺れ。
Theピーズはチャートの上位に入るようなバンドじゃないし、活動休止期間もあった。
それでも20年間にわたりこのクラスの会場を常時満員にするようなパワーは持続しているし、CDの売上では計り知れない影響力がある。
近年はメジャーとインディーズをうまく使い分け、彼らに合ったマネジメント・スタイル、ビジネス・スタイルがうまく機能しているように見える。
(実際にバンドだけで食べているかどうかはわからないが)
Theピーズのサウンド自体はデジタルと無縁でも、音楽制作/製作の低コスト化にデジタルは寄与しているはずだし、そうした彼らの活動を支えるひとつのツールがインターネットであったりする。
今だからかこそ、こうしたスタイルでバンドを維持できるんじゃないかと想像する。
インターネットって、中小零細企業とか、老人とか、地方とか、マイナー・ミュージシャンの味方なんだよ、ほんとは。